亀田郷環境再生構想

亀田郷環境再生構想亀田郷の環境整備の鍵を握る最大の要素は、水音が聞こえるような汚れのない水の復活です。

枯れた水路に流れを呼び戻し、単に作物を育てる水から、野生の生物を育む水、地域住民がごく自然に親しみ利用する水循環機能を備えた水路網を再生することがこの構想の中心的な課題です。 豊かな農村と都市の生活環境を整備し、自然と共生できる環境を実現するため、用排水路の整備事業だけでなく、多面的に取り組みを進めています。

整備事業

流域水質保全機能増進事業(県営)

清五郎排水路(清五郎地区)水質浄化のためのワンド
清五郎排水路(清五郎地区)水質浄化のためのワンド

この事業は、用排水路等の土地改良施設の更新と併せ、農業用排水の水質浄化に貢献する機能の増進を図ることを目的としています。これにより、揚排水機能の維持を図る一方、施設の更新整備の際、水質浄化、景観保全、生態系保全等の環境保全機能を付け加えることにより、土地改良施設の多面的機能の発揮を図ります。

地域用水機能増進事業(団体営)

小学生が参加してまとめた大渕地区「大渕の池」整備構想図
小学生が参加してまとめた大渕地区「大渕の池」整備構想図

この事業では、前述の流域水質保全機能増進事業で整備する施設等について、整備計画づくりや維持管理に地域全体で取り組みための支援を行います。また、子供たちの学習の場としての活用や、地域のイメージアップを図る活動などを通じ、地域全体が農業や土地改良施設に対して感心と愛着を持っていただけるような取り組みを推進します。

この事業について、くわしくは「地域用水機能増進事業」のページをごらんください。

住民参加の枠組みづくり

都市化・混住化と同時に農業者の高齢化が進んでいる亀田郷地区において、健全な水循環と水質改善を実現する水路網の整備には、農家だけでなく地域住民の参画が不可欠です。亀田郷土地改良区では下記のような連絡会・協議会を通じ、住民参加の枠組み作りを行っています。

亀田郷環境整備連絡会

亀田郷環境整備連絡会は、郷内の用排水路や鳥屋野潟の水質浄化、水路周辺の環境整備の促進を目的として、郷内各地の町内・集落ごとの自治会・自治連絡会と、土地改良区および地元組織の工区・分区が、ともに設立した連絡会です。

宅地化が進んだ地域の用排水路の管理は自治会に実施していただくよう連絡協議を行うほか、郷内の排水の集積地となる鳥屋野潟の水質改善を共通課題と捉え、関係行政機関への提案要望や共同の講演会などを実施しています。

亀田郷地域用水対策協議会

平成16年度亀田郷地域用水対策協議会総会
平成16年度亀田郷地域用水対策協議会総会

亀田郷地域用水対策協議会は、前述の流域水質保全機能増進事業および地域用水機能増進事業の着手を機会に、亀田郷環境整備連絡会を母体としてそれを発展させる形で設立されました。県・市などの行政機関やJA・学校PTAなど広範な参加をいただく一方、きめ細かく地域住民の意見を反映させるために、郷内に9つの地区協議会を設けました。

協議会のイメージ図は、

地域用水機能増進事業 − 水辺のたからづくりの進め方

のページをごらんください。

ワークショップの開催

大渕地区ワークショップ
大渕地区ワークショップ

水路整備に当たっては、計画段階から施工、維持管理段階まで住民参加の形を確かなものにするために、現地で実際にあたまやからだや手をを動かす、ワークショップを開催しています。集落点検や先進地視察に始まり、アイディアの提案、専門家も交えて整備構想図の作成を行います。施工段階でも観察木道や粗朶護岸などの直接施工、維持管理段階でも、植栽や草取りなどを、実際に地域住民のみなさまから実施していただいております。

ワークショップの進め方については

地域用水機能増進事業 − 水辺のたからづくりの進め方

地域用水機能増進事業 − ワークショップとは

活動事例については

地域用水機能増進事業 − 平成17年度事業活動報告

のページをごらんください。

イベント・広報活動

地域の水辺環境保全に向けた取り組みに、地域住民のみなさまから幅広くご参加いだだくため、以下のイベント・広報活動を進めています。

一斉清掃

平成17年度一斉清掃
平成17年度一斉清掃

亀田郷各地の用排水路や主要道路沿いには、不法投棄と見られる大量のゴミが捨てられています。亀田郷環境整備連絡会と亀田郷地域用水対策協議会は、関係機関や地域住民のみなさまから多数のご参加をいただいて、平成15年度から毎年1回、これらのゴミの一斉清掃を実施しています。例年、数百名規模でご参加をいただき、4トントラック二十数台分のゴミを回収しています。

実施状況は

第2回(平成16年度)「広報誌 No.97 − 亀田郷一斉清掃

第3回(平成17年度)「広報誌 No.99 − 亀田郷一斉清掃

第4回(平成18年度)「広報誌 No.101 − 亀田郷一斉清掃

第5回(平成19年度)「広報誌 No.103 − 亀田郷一斉清掃

不法投棄の実態については「不法投棄防止」のページをごらんください。

水土里の路ウォーキング

平成16年度水土里の路ウォーキング
平成16年度水土里の路ウォーキング

亀田郷内の農業用施設を結ぶルートを歩きながらこれらに対する理解を深めていただくとともに、地元農産物の試食や健康づくりに役立てていただけるよう、平成15年度から毎年1回、「亀田郷水土里の路ウォーキング」を開催しています。

実施状況は

第1回(平成15年度)「広報誌 No.96 − 亀田郷水土里の路ウォーキング

第2回(平成16年度)「広報誌 No.97 − 亀田郷水土里の路を行く

第2回(平成18年度)「広報誌 No.101 − 亀田郷水土里の路を行く

のページをごらんください。

その他

地域用水だより
地域用水だより

水質浄化事業

非かんがい期における浄化用水の導入

亀田郷では、農業用水の入らない非かんがい期(おおむね9月〜3月のお米づくりのに水を必要としない時期)になると地区内の水循環と家庭雑排水を希釈する水源を失い、鳥屋野潟の水質や地域の水辺環境が悪化する原因の一つとなっていました。そこで、土地改良区では関係機関とともに非かんがい期における浄化用水を沢海揚水機場・舞潟揚水機場・本所排水路の3ヵ所から導入しており、効果をあげています。

今後、浄化用水導入路線の拡大を図り、より広域にわたる水辺環境の増進を実現していきたいと考えています。

浄化用水の導入経路や効果については、「亀田郷の水質」のページをごらんください。