環境用水利活用促進事業

通年取水による田園空間の価値向上

これまでの経緯
 亀田郷地区は、田面標高の2/3以上がゼロメートル以下にあり、かつては「芦沼」とも称されていた湿田地帯でしたが、大規模な揚排水施設整備により、現在では穀倉地帯に生まれ変わっています。
 しかし、非かんがい期になると、農業用水が河川から取水されなくなるため、水路の流量が著しく減少し、農業用排水路の水質悪化やゴミの滞留が問題となってきました。住民のみなさまからの強い要望により、平成19年度より、環境用水水利権を取得し、舞潟揚水機場からの導水が行われるようになりました。
環境用水とは
 環境用水とは、生活環境または自然環境の維持・改善を目的とした用水をいいます。
 環境用水の通水により水質の改善が図られます。
 右の写真は導水経路にある清五郎排水路で行われた実証調査時の水質を示します。導水前はアオコが発生していますが、導水後はアオコがなくなり水の色も澄んで、水質も改善されています。
また環境用水は、自然環境の改善にも効果があります。
 亀田郷地区には鳥屋野潟をはじめ豊かな水辺空間が形成されており、多様な昆虫類・魚類・鳥類が生息しています。特に、導水経路にある清五郎排水路にはモツゴ、スジエビ、ヨシノボリ、タイリクバラタナゴなどの魚類が生息しています。
 年間を通じて通水することにより、こうした生物の越冬空間が確保され、豊かな生態系の保全につながります。

導水前

導水後

モツゴ

スジエビ

ヨシノボリ

タイリクバラタナゴ
環境用水導入経路(PDF)
環境用水利活用事業の概要

水利権申請者 新潟市
目的 水質保全、景観保全、親水空間の創造、生態系保全
取水期間 9月11日〜翌年4月23日まで
通水経路(PDF) 舞潟揚水機場より取水し、西線用水路、東線用水路、大堀排水路、新堀排水路、鍋潟排水路、清五郎排水路を経由して鳥屋野潟へ導水する。
最大取水量 2.09m3/s
実施主体 新潟市
協力機関 国土交通省、農林水産省、新潟県農地部、亀田郷土地改良区、亀田郷排水対策事業推進協議会
亀田郷環境整備連絡会、亀田郷地域用水対策協議会、
清流ルネッサンスU地域協議会(水環境対策部会)
パンフレット(PDF)  表面:(1.67MB)裏面:(1.35MB)
環境用水による田園の価値向上
 環境用水による水循環再生を通じて、地域資源を最大限に活用し、魅力あふれる田園型政令市の実現に進めます。さらに、良質な農産物のPRや水辺を活用したイベントを行い、農業・農村の振興とまちの清流の再生につなげます。