理事長あいさつ

理事長 五十嵐 修平

理事長 五十嵐 修平

昨年来より続く原油高によるガソリン価格の高騰によって輸送コストは増大し、またはバイオ燃料への転換や輸出大国の干ばつ、途上国の消費拡大によって穀物や飼料が世界的に不足するなど、原材料費の高騰は上げ止まりしません。また、我が国日本は食糧自給率が4割に満たず、その大半を輸入に頼り、その影響は家計にも大きく響いております。
 また、地下水の枯渇や異常気象によって、国際的に食料を取り巻く情勢は厳しさを増し、21世紀は水の争いとまでいわれております。

 そんな中、安全で安心な農産物の安定的な供給力の確保が求められております。その基盤は、農地・水・人であります。そのための農業農村整備事業の各種事業と地域づくりに取り組み、また山積する課題を検討しながら約4ヶ月が経ちました。上之山前理事長の下4年を副理事長として勤め、亀田郷の歴史と伝統を心に刻み、これから理事長としてどう活かしていけるのか、組合員5千人と郷内25万人の住民の安全と安心を担うため、総代、組合員の皆さまからご協力を頂き、役職員一体となって業務運営に努めて参ります。

 さて、当土地改良区は、国営亀田郷農業水利事業により更新された親松排水機場の運転操作・保守点検業務を平成20年4月1日から新潟県より受託しました。今後は本部集中管理室と連携した郷内主要揚排水機場の一元管理を行うことになります。よって、当土地改良区から親松排水機場へ正職員6名を配置し、それに伴い事務組織の編成を行いました。

 それから、昨年10月18日に当土地改良区が協力する中で、新潟市は環境用水利活用促進事業のため水利権を取得しました。これは全国でも初の試みであり、北陸農政局・新潟県・亀田郷土地改良区・新潟市が基本協定を締結する中で、非かんがい期における導水について水利権を取得し、高水準の親水空間の需要や水環境整備の期待に応え、生態系が持つ多様性の回復を望みながら、(新)新潟市総合基本計画「大地と共に育つ田園型拠点都市」という都市像の下、「水辺と緑のまちづくり」における農村と水辺環境の整備によって、河道景観形成や親水性の向上などと併せて地域資源の利活用を促進するものであります。
 同時に、冬期間における水路の淀みや悪水等が抑制され、非かんがい期の維持用水的な役割も果たし、水路の維持管理費の軽減や農業環境の改善に繋がります。
 そこで、その取水管理や施設管理に高度な技術と適正な運転操作が求められることから、操作運転管理業務を当土地改良区が受託し、引き続き当事業に協力しながら、地域の水循環再生による一年を通した潤いのある水・土・里のネットワークの構築と農地・水環境保全の向上等総合的な地域環境整備に努めて参ります。
 既に施行されております地域用水機能増進事業、流域水質保全機能増進事業、昨年度から始まった農地・水・環境保全向上対策事業と併せて、亀田郷の21世紀を創造する新たな事業として大きく期待をし、その動向についても全国から注目されております。皆様方からは更なるご理解をお願いしたいと思っております。

 なお、農地・水・環境保全向上対策事業につきましては、一昨年からモデル地区として大形工区海老ヶ瀬地区が活動を始め、現在12地区が取り組んでおり、今年度から小杉下地区が活動を始めました。現場作業よりも事務や交付手続き、関係団体との調整に苦労すると地元役員からは聞いておりますが、我がふるさとを形づくる田んぼや水路などの地域資源を次の世代に引き継ぐため、地域の創意・工夫と多様な主体参加による共同作業を介して、地域環境への理解と相互扶助の支援体制の構築による質の高い取り組みを推進して参ります。これからも地域資源の保全活動の中心的役割を果たす水・土・里ネットへの期待は大きいものと考えます。

 それから非常に残念なことですが、組合員の皆様や一般住民の方々、または県内外からも宿泊や日帰り、休憩場所として四季折々数多くの皆様から親しんで頂きました鹿瀬の亀田郷山荘ですが、築後15年が経ち、修繕保全や維持管理費も年々かさむことから、去る3月31日をもって閉館しました。福利厚生や健康保養施設として長年ご愛顧頂きましたこと、この場をお借りし厚く御礼を申し上げるとともに、何卒ご理解の程お願い申し上げます。

 最後になりましたが、私がこの大きな亀田郷土地改良区の舵取り役を務めさせて頂きますが、何分これからもご協力、ご鞭撻の程をお願い申し上げます。


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