申請者:新潟市  期間:9月から4月 3年間  取水量:最大2.15t/s
@新堀排水路。地域の景観に貢献しています。 C丸潟地区。人々が集う憩いの水路。
Aせせらぎのある水路。 D長潟地区。水性動植物が生息できる水路。
B西線用水路。小魚もいる水路。 E清五郎地区。植物による水質浄化。
 亀田郷の用排水路は毛細血管の如く張り巡らされていて総延長は1,300kmに及ぶ。約4,000haの水田に4月の代かき時期から8月末の刈り取り前まで農業用水を供給している。水田に水を湛え、動植物を育み、地域に安らぎや潤いを与えている。
 しかしながら、9月からの非かんがい期には用水路は一滴の水も流れない、排水路の水量は限られいくらかの雨水と家庭雑排水が流れる程度である。混住化が進んだ地域では水質の悪化も見られ、生き物もいない人も近づかない水路と化している。
 平成11年に亀田郷環境再生構想を策定した。失われた自然を取り戻し、うるおいのある田園空間を再生するものである。これは長い間効率を優先して水路整備を進めてきたことの最初の転換点と言える。
 その後、平成13年には非かんがい期の浄化用水の必要性を関係行政機関に訴え、舞潟揚水機場から東線用水路において都市化地域水環境改善実証調査事業による試験導水が実現した。
 この間、どのくらいの水量・ルートを流せば一定の水質を保てるのかなどを6年間に渡って調査を続け最大2.15t/sと算定し、平成19年度には環境水利権取得を目指し、国土交通省信濃川下流河川事務所と協議を重ね全国に先駆けて実現した。
 非かんがい期における導水は、水質の改善や景観の保全、自然環境を保全すると共に人々が憩い集う場となる。さらには新潟市が目指す「田園型拠点都市」と相まって、農業生産基盤の持つ多面的機能の発揮や地場農産物の持つイメージの向上に繋げていければ幸いである。
環境用水とは
 水質、親水空間、修景等生活環境又は自然環境の維持、改善等を図ることを目的に平成18年3月国土交通省より環境用水にかかわる水利使用許可の取り扱い基準が示されました。

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