地域のみんなで取り組もう
−農地・水・環境保全向上対策−

農地や農業用水などで形成される農村環境は、国民共有の財産であり、これらを子や孫の世代に良好な状態で引き継いでゆくことが必要です。そこで農林水産省では平成19年度から、農村環境の保全と向上を図る地域共同の取組を支援するため、『農地・水・環境保全向上対策』を開始しました。この対策の概要は、農業者だけでなく地域住民が参加する活動組織を作り、従来の農地や農業用水の維持管理活動に加えて、施設を長持ちさせるきめ細かな保全活動や、景観形成・生態系保全など農村環境を向上させる共同活動計画を立てて実践すると、地域の農地面積に応じて交付金の支援を受けられる、というものです。また、化学肥料と化学合成農薬の5割低減など環境にやさしい農業に地域で取り組む場合には、あわせて営農活動への支援も受けられます。
 当改良区管内では昨年度、海老ヶ瀬地区において、この対策の実験事業が行われました。絶滅危惧植物ミズアオイの保全活動や、地区内の共同清掃を通じて、農家に限らず地域の多くの方が集い、地域を知り活性化するよい機会となりました。
 昨年の秋以来、郷内各地域で検討を重ねてきましたが、結局12地区でこの対策を実施することとなり、組織づくり、そして4月から共同活動を開始しました。さらにそのうち4地区では環境に優しい営農活動にも取組を始めています。なお、新潟市内では125地区、新潟県内では845地区でこの対策を実施しています。
 この7月31日には、12地区の活動組織の代表の方々と行政機関等の関係者が一堂に会し、意見交換会を開催しました。計画づくりや共同活動を通じて、子供会や老人会、女性の集いとのふれ合いの機会も増え、集落のまとまりの力が向上しつつあるといった、力強いご意見もうかがえました。
 この対策は、行政・農協・土地改良区等ばかりで実施できるものではなく、あくまで地域の皆さんの活動が主体となります。農村環境の向上に向けて、農家・非農家を問わず多くの方から、積極的に活動に参加していだだきたいと願っております。

農地・水・環境保全向上対策実施地区位置図

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