新年度の挨拶

理事長 上之山 喜男

理事長 上之山 喜男
 日頃、組合員の皆様には、土地改良区運営並びに事業推進に、多大なるご理解とご支援を賜り心より感謝申し上げます。
 新たな「食料・農業・農村基本計画」が平成17年に閣議決定され、同年10月にはその工程管理の一貫となる「経営所得安定対策等大綱」が策定された。そして平成19年度から、これまで全農家を対象として行われてきた施策を担い手に集中させるという戦後農業構造の一大改革となる品目横断的経営対策が導入されることになります。またこれと表裏一体の関係にある米の生産調整支援対策の見直しと農地・水・環境保全向上対策が併せて行われます。新潟県では、昨年7月に「新潟県『夢おこし』政策プラン」を策定し、多面的な農林水産業政策の展開を柱に据え、産業として成り立つ農林水産業の展開と、若者に魅力的な住みよい農山漁村の生活環境整備を政策の方向として、対前年度比93・7パーセントと厳しいものですが平成19年度農地部予算が編成されました。
 新潟市は、4月1日に日本海側初となる政令市となりました。合併以来掲げてきた「田園型政令市」の理念のもと昨年3月に取りまとめられた「新市農業構想」に基づいて、産業として魅力のある農業の確立、地域として魅力ある集落環境の形成、田園型政令市の豊かさの形成といった将来像のテーマに向け、実際の施策が動き出しています。政令市移行により亀田郷土地改良区は、東区、中央区、江南区に属することになりましたが、新しい枠組みの中で地域における役割が一層期待されています。
 土地改良区は、これまで土地改良事業の実施と土地改良施設の管理を通じ「食」と「農」の基盤である農地と農業用水の保全を担う農家の組織として重要な役割を果たしてきました。
 近年では、農村の都市化・混住化の進展とともに、農業用水路の周辺にも住宅などの市街地が形成され、親水空間の提供や地域排水の役割も相対的に高まるなど、土地改良区には土地改良施設の整備・管理という従来からの役割に加えて、地域住民の参加・協力を得ながら環境保全や多面的機能の発揮を担うという新たな役割が期待されています。そんな中、平成19年度から始まる「農地・水・環境保全向上対策」を農業水利施設の維持管理を通じて農村集落の良好な環境を次世代に繋げていく取組として推進してまいります。
 亀田郷土地改良区は、これまでも地域住民と一緒に環境整備連絡会、地域用水対策協議会を立ち上げ積極的に環境整備に取り組んできました。これらの活動は全国的に評価され、昨年は「21世紀土地改良区創造運動大賞」の受賞と「疏水百選」に認定されました。
 これからも官と民の間にある「公」として、地域の「治水」「利水」「環境整備」を地域住民と一緒に行政と連携させ、良好な農業生産基盤を組合員に提供していく所存です。今後とも皆様のご支援宜しくお願いいたします。

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