平成17年度 事業報告
1 水管理状況
平成17年度のかんがい期間(4月から8月)中の気象状況は、気温(平均20.2℃)と日照時間(923.5h)は平年並みで、降水量が117.5mm少ない568.5mmであった。
用水状況は、沢海揚水機場の4月20日を最初に竹尾揚水機場21日、両川・舞潟揚水機場の24日に管内全域で開始された。今年も昨年に引き続き、6月13日から8月3日の期間で間断運転を実施した。中干は、両川・舞潟揚水機場で6月20日から29日に実施した。運転終了は、沢海・竹尾揚水機場で8月31日、両川・舞潟揚水機場は例年より5日長い9月5日に運転を終了した。
用水施設整備を計画的に進めているが、農作業が集中するため水不足は解消されなく、48ヶ所の臨時施設で対応した。
排水状況は、本所・蔵岡・二本木排水機場で6月27日、28日、8月10日の3日間運転を行い、郷内の湛水・浸水被害防止に努めた。
2 土地改良施設の整備状況と事業効果
(1) 団体営事業
@ 地域用水機能増進事業
両川用水路親水水路と清五郎排水路親水施設を施工した。
亀田地区は、清五郎排水路を地域住民と小学生が草刈りを実施し、両川地区では小学生と園児が親水水路にフナを放流したり、ザリガニ釣りを行い生き物と水に親しんだ。また、曽野木地区は清五郎排水路の草刈りと水路のり面にヒメイワダレソウなどの植裁を行い、昨年に引き続き「あじさい・灯籠祭り」を開催した。
当土地改良区が進めている農業用施設の多面的機能の発揮に、地域住民が積極的に参加してきている。
A 国営造成施設管理体制整備促進事業(管理体制整備型)
大石排水路切梁塗装を施工した。
当該施設は、造成後20年以上経過し塗装工事により施設の保全と長寿命化が図られた。
B 基盤整備促進事業
西山排水路を施工した。本年度、前線完了し地域の排水不良が解消した。
(2) 国営事業 かんがい排水事業
親松排水機場本体の上屋建築工、ポンプ設備製作工、高圧設備工、除塵設備工を施工し、上屋が完了した。平成18年度は、引き続きポンプ設備製作工などを施工し、平成19年4月の運転開始に向け工事を進めていく。事業進捗立は、38.4%である。
(3) 県営事業
@ 地盤沈下対策事業(新潟南部2〜6期地区)
沢海揚水機場と阿賀・両川用水路及び大石・平賀排水路を施工し、平賀排水路は完了した。整備完了した施設は、用水不足と排水不良を解消し事業効果を発揮している。事業進捗立は、全体で41.1%である。
A 流域水質保全機能増進事業(亀田郷地区)
清五郎・早通排水路を施工し、清五郎排水路は完了した。整備完了施設では、のり面に花木を植栽をしている。事業進捗立は、74.7%である。
(4) その他各種事業
@ 土地改良施設維持管理適正化事業
二本木排水機場のバッテリー及び封水ポンプ点検整備、小杉上田用水路を施工した。
A 県単農業農村整備事業
沢海揚水機場の主ポンプ電動機補修工事を施工した。
B 維持管理事業(共通・各区)
共通・各区路線の維持修繕工事を施工した。
C 受託事業
@ 新潟県土木部
鳥屋野潟及び栗ノ木川浄化対策
A 新潟市
本所・蔵岡排水機場の運転管理
B 北陸農政局
農業水利基本調査、土地利用実態調査
D 新潟県農地部
管理体制整備の推進活動
E 新潟市ほか
用排水路移設補償工事
(5) 亀田郷ネット
平成17年度は、インターネット接続業務(プロバイダー業務)を廃止し、ホームページを通じた土地改良区からの情報提供業務を行った。
今後は、「水」「環境」「地産地消」「農消交流」を中心に、情報発信を継続することとする。また、用水現状・計画、事業運営など、組合員に対する情報提供も同時に行っていく。
3 今後の課題と重点的取組
(1)国営かんがい排水事業の推進及び親松排水機場一元管理システムの構築
(2)地域水田農業ビジョンを推進し良質米・名産品農産物を生産するための農業水利施設の適切な管理を目指し、分区・工区・用水管理委員会・本部の有機的連携の強化と施設の長寿命化を図る国営造成施設管理体制整備促進事業に取り組む
(3)農業用施設の更新と併せた、水質浄化、生態系・水辺環境保全など環境に配慮した、流域水質保全機能増進事業の推進
(4)土地改良施設の多面的機能を地域住民と共に、計画・実施・維持管理を行う活動を支援する、地域用水機能増進事業の推進及び事業継続に取り組む
(5)地域の多様な主体の参画による土地改良施設の維持管理を目指す管理協定の締結と資源保全施策の推進
(6)バイオマス資源の生産とエネルギーの利活用により減反解消を図るため、新潟市と共同でバイオマス利活用高度化実証事業に取り組む
(7)新潟市と法定外公共物や市街化区域内の背割水路の取扱いについて、適正な維持管理と負担体制を確立するとともに市単独事業の有効活用により田園型政令指定都市に相応しい地域環境の整備を推進
(8)新たな受託事業への取り組み、施設の多目的利用などによる収入源の発掘と各種基金や制度資金の活用を図り健全財政を堅持
(9)亀田郷非常災害要綱に基づく連絡体制の確立と強化徹底
(10)環境保全型農業、地域農産物の名産品育成、良好な景観を考慮した道水路管理溝畔の草刈りの実施
(11)管内全域の良好な水辺環境を実現するため、関係機関と連携し河川からの通年取水を目指す
平成17年度 亀田郷管内土地改良事業実施調書
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