農地・水・環境保全対策
〜海老ヶ瀬地区の取り組み〜
平成18年度より、本格的な着手に先駆けて、全国約600の地域で実験的な取り組みを行います。県内では海老ヶ瀬地区のほか17地区が地域ぐるみで効果の高い共同活動に取り組む予定です。海老ヶ瀬地区のこれまでの活動事例を紹介します。
海老ヶ瀬地区は北東側に新々バイパス、空港アクセス道、山の下・東港線、南西側は住宅街、大形本町商業地に囲まれた150戸ほどが在住する都市近郊型集落です。農地は約50f、かつては50戸ほどあった農家戸数は現在では17戸となり、施設の維持管理が行き届かない状況となっています。
平成14年度より大形地区地域用水対策協議会に参加し、海老ヶ瀬排水路改修計画に合わせ整備計画をワークショップ形式で立案・作成を行ったり、2年前に絶滅危惧種に指定されているミズアオイの保全活動を集落で取り組みました。また最近では、天神講のお祭りを37年ぶりに復活させたりと地域用水対策協議会を母胎として集落活性の機運がある集落です。
平成17年から本事業の調査地区に選定されて以来、様々な聞き取り調査のなかで、年間を通じての作業などある程度の整理はされていました。今まで頭の中で慣例的に維持管理作業を行っていたものを文章や表などで明示にすることから始め、これを基に生産活動、景観・生活環境保全活動、生態系保全活動の分野毎でワークショップ形式による意見交換から実施計画案をつくりました。
合意形成は、各団体の役員や農家を対象に説明会を重ね、最終的には自治会総会で活動組織としての規約、活動計画の承認を得ました。農家には通常の維持管理のほか点検、機能診断を行い施設の長寿命化に繋がる活動を、地域住民からは一斉清掃、植栽活動の景観・環境保全活動などに参加します。
活動組織に対しての支援費は約130万円となり、資材購入や作業日当、事務費等に充当されますが、慣れない会計事務や作業日報の作成なども活動組織の役員が担当しています。
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