亀田郷土地改良区だより100号にあたり

理事長 上之山 喜男

理事長 上之山 喜男
 日頃、組合員の皆様には、土地改良区並びに事業推進に多大なるご理解とご支援を賜り心より感謝申し上げます。
 今回、亀田郷土地改良区だよりはお陰様をもちまして100号を迎えることとなりました。一口に100号といいますが、今日にいたるまでにはいろいろな方々の苦労があったわけで、昭和29年(1954年)第1号が発刊されて以来52年にわたり発行できましたのは、組合員の皆様方の協力と努力のたまものだと深く感謝致しております。

土地改良区の役割

 土地改良区は、これまで土地改良事業の実施と土地改良施設の管理を通じ「食」と「農」の基盤である農地と農業用水の保全を担う農家の組織として重要な役割を果たしてきました。
 近年には、農村の都市化、混住化の進展とともに、農業用水路の周辺にも住宅などの市街地が形成され、親水空間の提供や地域排水の役割も相対的に高まるなど、土地改良施設の整備・管理という従来からの役割に加えて、地域住民の参加・協力を得ながら環境保全や多面的機能の発揮を担うという新たな役割が期待されています。

農地・水・農村環境の保全向上対策

 昨年、農林水産省において、新しい「食料・農業・農村基本計画」と「経営所得安定対策等大綱」を策定し、品目横断的経営安定対策の導入、米政策大綱の見直し、そして平成19年度からの導入を目指した「農地・水・農村環境の保全向上対策」の枠組みが固まりました。
 「農地・水・農村環境の保全向上対策」は、土地改良施設などの生産資源と営農活動を一体にとらえ、多様な主体が参画する活動組織を作り、水路の江浚い・除草などの集落共同作業において地域の創意工夫による農村環境の改善や土地改良施設の長寿命化に繋がる取り組みを支援する事業となっています。
 平成18年度は、平成19年度の本格導入に向けて全国600ヶ所で実験事業が実施されます。県内では23地区の要望に対し、中山間地11全地区と平場12地区の申請があった中で、亀田郷の「海老ヶ瀬地区」だけが採択されました。県内平場の代表という重責を担ってのスタートとなりますが、平成19年度の事業化に向けて地元と一体となり取組む所存です。

田園型政令指定都市と新市農業構想

 一方、亀田郷周辺の新潟都市圏に於いては、平成19年4月1日に日本海側初となる新潟政令市の発足が予定されています。新・新潟市は高次都市機能と豊かな自然環境が調和・共存する「田園型政令指定都市」を目指しており、「食と花の都」として〜日本一豊かでにぎわいのある大農業都市〜を実現するための新市農業構想がこの3月にまとまり平成18年度から実際の施策として動き出しました。

亀田郷の取り組み

 このような中で、亀田郷土地改良区では、共通道水路の除草を従来の薬剤散布から刈払い機等による草刈りに変えることに決めさせていただきました。この間、各工区での役員に対する説明と石山出張所脇で、3月6日から3日間に渡り延140人の方から参加いただき11社50台以上の草刈機の実演会を行い、刈払い機と各工区に貸出す大型機械の機種選定を行いました。
 また、草刈りと併行して景観の保全と維持管理の軽減に繋がるカバープランツの試験施工も郷内各所で実施しています。
 これらを合わせて実施していくことで良好な農村景観と地域住民の維持管理活動への参加が促進され、さらに亀田郷農産物のブランド化に繋がるものと思います。今後も組合員の皆様のご指導ご協力を宜しくお願い致します。

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