先進地視察だより
−北陸農政局と手取川七ヶ用水土地改良区(石川県)を視察−

8月9〜10日にかけて、当改良区役職員27名で、石川県にある北陸農政局と手取川七ヶ用水土地改良区を研修してきました。

北陸農政局では、平成17年3月策定の新しい「食料・農業・農村基本計画」と今後の事業展開について担当職員から説明をうけ、意見交換を行いました。新基本計画においては食糧自給率の向上と担い手農家の育成に主眼がおかれています。戦後日本の食生活構造の変化に伴う米の需要減少と肉・油の需要増に伴う飼料作物(大豆・とうもろこし・なたね等)の輸入増が自給率低下の原因となっているとの指摘がありました。農水省は、消費者向けの施策として地産地消の推進を図る一方、生産者向けの施策として、経営感覚に優れた担い手による需要に即した生産の推進を図ることとしています。

当改良区からは、生産者向け施策を集中することとなる担い手の範囲について意見を述べましたが、農政局は、地域農業の実状に応じて各地域で担い手要件を定めるべきとの方針を示しました。

手取川七ヶ用水土地改良区は、白山に源を発する手取川中流域の扇状地にあり、頭首工から取水した農業用水を管内農地に供給する、幹線用水管理を中心とする土地改良区です。当改良区と類似した点がありますが、流れる用水は清冽で流量流速とも非常に大きいという異なる点もあります。

この土地改良区では昨年、最新の水利施設管理システムが完成し、頭首工をはじめ管内19箇所の分水工を一括制御しています。さらに、携帯電話を利用した監視制御システムなど、最新の技術を活用した先進的なシステムづくりの試みがなされています。

また、この土地改良区は21世紀土地改良区創造運動も盛んで、平成16年度の大賞を受賞しています。当改良区と同様ウォークラリーも毎年開催しており、クイズをまじえた楽しい工夫や、地元民間企業とのタイアップなど、めざましい活動を展開しています。

今回の研修においては、今後の農政の展開方針や、水利施設の適切な管理、農業農村整備事業への地域住民の参画のあり方などについて、多くの知見を得ることができました。今後とも役職員一体となって、今回の研修の成果を当土地改良区の運営に発揮させてまいります。

北陸農政局での意見交換 手取川七ヶ用水土地改良区
水利施設管理システム
手取川七ヶ用水土地改良区
地域用水機能増進事業で親水施設が整備された山島用水路

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