平成16年度 事業報告

1 水管理状況

平成16年度のかんがい期間(4月から8月)中の気象状況は、気温(平均20.6℃)と日照時間(990.1h)は平年並みで、降水量が期間全体で196mm多い837mmであった。

用水状況は、沢海揚水機場の4月20日を最初に舞潟揚水機場の25日までで管内全域で開始された。今年も昨年に引き続き、6月中旬から間断運転を実施したが7月中旬以降の高温・フェーン現象により7月28日から連続運転に切り替えた。全ての機場で8月31日運転を終了した。計画的に施設整備を進めているが、水不足は解消されなく臨時施設で対応した。

排水状況は、本所・蔵岡・二本木機場で7月13日から12月8日の期間で運転を行い、郷内の湛水・浸水被害防止に努めた。

2 土地改良施設の整備状況と事業効果

(1) 団体営事業

地域用水機能増進事業 大渕排水路浄化池
地域用水機能増進事業 大渕排水路浄化池
@ 地域用水機能増進事業

大渕排水路浄化池と両川用水路親水水路などを施工した。

大江山地区は、地域住民と小学生が浄化池のそだ護岸を手作りで作り、両川地区では親水水路に魚の放流を行い、地域環境と生態系の復活に努めた。各地区でこの様な活動が展開され、当土地改良区が進めている農業用施設の多面的機能の発揮に地域住民が協力してきている。


基盤整備促進事業 西山地区
基盤整備促進事業 西山地区
A 国営造成施設管理体制整備促進事業(管理体制整備型)

非かんがい期に、舞潟揚水機場からの浄化用水の導入と大石排水路浄化ポンプの運転を行い、排水路の水質浄化に取り組んだ。その結果、大石排水路では目標値(COD値5.0mg/l以下)を達成した。

B 基盤整備促進事業

西山排水路を施工し排水不良を解消した。


(2) 国営事業 かんがい排水事業

親松排水機場本体の吸水槽や機場上屋などを施工した。平成17年度は、引き続き機場上屋を実施し受電設備及び除塵設備を施工する予定でいる。平成19年4月運転開始に向け順調に工事が進んでいる。

(3) 県営事業

@ 地盤沈下対策事業(新潟南部2〜5期地区)

本年度、沢海揚水機場更新工事に着手した。用水路は両川用水路、排水路については大石・平賀排水路を施工した。整備完了した施設は、用水不足と排水不良を解消し事業効果を発揮している。

流域水質保全機能増進事業 清五郎排水路 鍋潟新田地区
流域水質保全機能増進事業
清五郎排水路 鍋潟新田地区
A 流域水質保全機能増進事業(亀田郷地区)

清五郎・早通排水路を施工した。清五郎排水路は、親水と生態系保全及び水質浄化機能などを備えた自然型護岸に整備し、水生植物の植栽と浄化用水の導入により、フナ・ホタルなどの姿が見受けられ事業効果が少しずつ発揮されてきている。


(4) その他各種事業

@ 土地改良施設維持管理適正化事業

揚水機場は横越第1機場のポンプ点検整備、排水機場は二本木機場の吐出弁点検整備、用水路については小杉上田・天王杉用水路を施工した。

A 維持管理事業(共通・各区)

共通・各区路線ともに計画どおり維持修繕工事を施工した。

B 受託事業
@ 新潟県土木部

鳥屋野潟及び栗ノ木川浄化対策

A 新潟市

本所・蔵岡排水機場の運転管理

B 新潟県土地改良事業団体連合会

揚水機場の操作点検整備などの指導及び支援

C 北陸農政局

農業水利基本調査、土地利用実態調査

D 新潟県農地部

管理体制整備の推進活動

E 新潟市ほか

用排水路移設補償工事

D 亀田郷ネット

平成16年度の亀田郷ネットの会員数は、平成17年3月末現在301人である。活動内容は、会員へのサポートと用水計画及び土地改良事業の紹介ホームページの新設を行った。

今後は、土地改良事業と連携し組合員や地域住民との交流を重視した情報発信を推進していく。

3 今後の課題と重点的取組

(1) 国営かんがい排水事業の推進及び親松排水機場一元管理システムの構築

(2) 地域水田農業ビジョンを推進し良質米・名産品農産物を生産するための農業水利施設の適切な管理を目指し、分区・工区・用水管理委員会・本部の有機的連携の強化と施設の長寿命化を図る国営造成施設管理体制整備促進事業に取り組む

(3) 農業用施設の更新と併せた、水質浄化、生態系・水辺環境保全など環境に配慮した、流域水質保全機能増進事業の推進と新規(亀田郷第2)地区の採択

(4) 土地改良施設の多面的機能を地域住民と共に、計画・実施・維持管理を行う活動を支援する、地域用水機能増進事業の推進

(5) 地域の多様な主体の参画による土地改良施設の維持管理を目指す管理協定の締結と資源保全施策の推進

(6) バイオマス資源の生産とエネルギーの利活用により減反解消を図るため、新潟市と共同でバイオマス利活用高度化実証事業に取り組む

(7) 新潟市と法定外公共物や市街化区域内の背割水路の取扱いについて、適正な維持管理と負担体制を確立するとともに市単独事業の有効活用により田園型政令指定都市に相応しい地域環境の整備を推進

(8) 新たな受託事業への取り組み、施設の多目的利用などによる収入源の発掘と各種基金や制度資金の活用を図り健全財政を堅持

(9) 土地改良区、組合員、地域住民との情報交流を重視した情報ネットワークの推進

(10) 管内全域の良好な水辺環境を実現するため、関係機関と連携し河川からの通年取水を目指す


平成16年度 亀田郷管内土地改良事業実施調書

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