資源保全施策(新規事業)への取り組み

農林水産省は新しい「食料・農業・農村基本計画」において、環境保全重視と農地・農業用水等の資源保全施策の確立を目指しています。この新しい施策についてご紹介します。

1.資源保全施策とは

(1)資源保全施策のねらい

農地・農業用水等の保全管理体制は、これまでは地域共同の取組により維持されてきましたが、過疎化・高齢化等に伴う集落機能の脆弱化、都市化・混住化等に伴う地域共同活動への参加人数の減少、農地や水路へのゴミ投棄など保全管理上の課題の増大で崩壊の危機に瀕しています。食料の安定供給を図るため優良農地や水利施設を適切に確保する必要があり、また国民的要請が高まっている農村の自然や景観の維持・形成に対して、その基礎となる農地・農業用水等の健全な保全管理が不可欠となっています。このため国民共有の財産である農地・農業用水等の資源を良好な状態で次世代に継承するための施策が必要となっています。

(2)農地・農業用水等の資源保全施策のイメージ

一定のまとまりのある地域を対象に、農業者やその他の地域住民を中心とし、JAや土地改良区等の関係団体を含め、地域が一体となって資源や農村環境の保全活動に取組む仕組みに、NPOや都市住民の参画を求め、農地・農業用水等の資源保全と併せ、生態系、景観、国土保全など新たな社会的要請に応える仕組みで、地域社会全体への貢献や農村振興の観点から見た「効果の高い取組」を誘導し、バラマキとならない制度設計を検討します。

(3)資源保全施策の導入に向けた手順

−平成17年度−
資源保全実態調査(8.5億円)

平地・中山間地・都市近郊や水田・畑等のバランスを考慮し全国で四百地域を都道府県が主体となって農業構造の現状把握と将来予測、資源量・地域共同活動の現状把握、「効果の高い取組」の実態把握と実現可能性予測等を調査します。

資源保全手法検討調査(1.5億円)

国が主体となって望ましい取組レベルの指針となる活動のリストアップ、国民ニーズの把握や情報発信等を行い、有識者を交えた多角的な議論により、保全管理手法を検討します。

−平成18年度−
モデル的に実効性の検証

−平成19年度−
資源保全施策導入
海老ヶ瀬分区 聞き取り調査のようす

2.亀田郷管内での取組

当改良区管内では海老ケ瀬集落で資源保全実態調査と資源保全手法検討調査に取組んでいます。海老ケ瀬集落は多様な団体が参画しての地域用水協議会活動が注目され対象地域に推薦されました。既に分区役員等から何度も集落活動の聞き取りを行ったり、一般の方へのアンケート調査を実施し、関係者の方からはお忙しい中、ご協力いただいています。

3.最後に

資源保全施策は、平成十九年度の制度導入を目指し動き出しています。末端施設の集落共同作業への補助制度として期待されます。亀田郷では、各工区で地域用水対策協議会を立ち上げ、地域住民と一緒に施設整備計画の策定や維持管理活動等で「効果の高い取組」を実施しており、新しい制度を取り入れやすい状況があります。平成十九年度に向けて各工区分区で検討するひとつの課題ではないでしょうか。


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