「亀田郷の四季」写真コンテスト入賞・入選作より「のどかな田園」
豊かな景観は地域の資源 「亀田郷の四季」写真コンテスト
入賞・入選作より
「のどかな田園」
新潟市 布施 正子 様

新潟市と周辺12市町村は、平成17年3月21日に広域合併を実施し、人口約78万人で日本海側最大の都市となりました。2年後には新潟政令市の発足が予定され、水田面積は2万7千ヘクタール、農業生産額662億円の、田園と都市が共存する「田園型政令指定都市」を目指しています。なかでも亀田郷地区は地形上、新・新潟市の中心に位置し、歴史的・地勢的にもたいへん繋がりの強いものがあり、今日でも様々な分野で交流が盛んです。合併により市町村の枠が消えても、その豊かな自然や風景は後世に伝えなければならない地域共通の「資源」です。

やすらぎをもたらす農村の景観の根幹を構成しているのが、農地や用排水路などの農業用施設です。農業用施設は本来の農業生産を支える大事な役割の他に、多面的な機能を持っています。例えば、先述の景観形成機能のほか、農地だけでなく宅地の雨水も受け入れて流下・排水させる洪水防止機能、万一の火事の際に消火用水源として利用する防火用水機能、有機化合物など水質悪化の原因物質を流下・希釈させる水質浄化機能、昆虫や魚介類の生息空間を形成する生態系保全機能などがあります。

「亀田郷の四季」写真コンテスト入賞・入選作より「丸山の桜並木」
「亀田郷の四季」写真コンテスト
入賞・入選作より
「丸山の桜並木」
新潟市 川崎 久松 様
コンテストの全入賞・入選作は
ホームページでもご覧いただけます。
http://www.kamedagou.go.jp/

しかし、近年の高齢化や都市化・混住化により、農村部の集落機能の維持が困難になりつつあり、農業用施設の維持管理が農家の負担になっています。今後は農業用施設を地域資源ととらえ、農家だけでなく多くの地域住民の皆さまから、資源保全の取り組みへの参画を期待したいと思います。そのためには、維持管理だけでなく計画段階から住民全体にご参加願い、地域に愛される農業用施設を作ることから始めることが必要と考えています。

今後とも、住民参加型の事業展開やイベントを通じ、より多くの方々から、都市と農村の調和のとれた発展を進め、豊かな自然を後世に引き継ぐための取り組みにご理解、ご賛同をいただくことを期待しています。


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