あいさつ

理事長 上之山 喜男

理事長 上之山 喜男

日頃、組合員の皆様には、土地改良区運営並びに事業推進に、多大なるご理解とご支援を賜り心より感謝申し上げます。

昨今の情勢 − 水利施設管理・農業生産・環境保全の重要性

昨今の情勢を振り返りますと、昨年多発した豪雨や地震など自然災害が思い起こされます。幸いにして亀田郷においては農地・宅地とも、大きな被害の発生はありませんでしたが、これは親松排水機場を始めとする農業用水利施設の運転管理が十分に役割を果たしたものと考えています。

また、この3月には新潟市の広域合併が実施されました。新・新潟市は、農業生産高全国一、食糧自給率61%と、かつてない大農業都市となりました。豊かな自然環境こそが市民共通の財産となり、水と緑の環境を大切にする資源循環型社会がこの新潟の地から築かれていくものと思います。

農政面では、今後5年間の農政の方向性を示す食料・農業・農村基本計画が、この3月に閣議決定され、「新たな食料自給率目標の設定と向上」「食の安全と消費者の信頼の確保」「担い手の経営に着目した経営安定対策への転換」「環境保全重視と農地・農業用水等の資源保全施策の確立」「農産物輸出やバイオマス活用などを促進する『攻めの農政』の展開」など、新たな農政の方向付けがなされました。

事業展開 − 住民参加による排水対策・環境保全・施設管理の取り組み

このような情勢をふまえ亀田郷土地改良区では、農業生産と市民生活の基盤となる水利施設の機能維持はもちろんのこと、住民参加型の自然環境創造に、重点を置いてまいります。

亀田郷排水の基幹となる親松排水機場更新を核とする国営かんがい排水事業は、今年度ポンプ設備工事に入り、平成19年4月の稼働を目指し順調に工事が進められています。

環境への配慮とともに用水の水質や多面的機能の向上を目指す、県営流域水質保全機能増進事業・団体営地域用水機能増進事業は、着実に進捗を見せております。清五郎排水路や大渕排水路では施設の一部が完成し、地域の皆様のご協力により、植栽や灯籠祭りが開催されています。

また、海老ヶ瀬地区においては「資源保全実態調査事業」の調査を実施しています。この調査は、農業用水利施設の維持管理実態を環境保全と多様な管理主体の参画の観点から把握するためのもので、農林水産省が全国規模で展開している調査です。食料・農業・農村基本計画に位置づけられた「環境保全重視と農地・農業用水等の資源保全施策の確立」の観点からの新たな政策導入の基礎的調査となります。

こうした事業展開を推進する土地改良区組織については、昨年の総代・役員定数・事務機構改革に引き続き見直しを進めております。この4月からは企画課を3係に再編し、さらに、施設使用や遊休土地の利活用を検討する土地・資産プロジェクトチームを、副理事長を筆頭に編成するなど、組合員・地域住民の皆様のご要望により迅速かつ的確に対応できるよう努めて参ります。

最後に − 豊かな水と緑の環境を地域共通の資源・財産に

この亀田郷が豊かな自然環境の保全により、動植物のいのちを育み、地域の皆様の共有資源・財産となるよう、また、水質の浄化やバイオマス利用促進など水と地域資源の健全な循環を促進し、人と自然・都市と農村が共生する地域として発展していけるよう、今後とも、組合員・地域の皆様のご協力をいただけますようよろしくお願い申し上げます。



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