めだか事情

−「レッド指定」絶滅の危機せまる−

「めだかの学校」「めだかの兄弟」などの歌に唄われ、身近な生物と思われていたメダカが5年前、環境省作成の汽水・淡水魚レッドリストで「絶滅の危険が増大している種(絶滅危惧II類)に指定されて以来、環境保護活動の象徴的な生物として、郷内の小学校からもメダカに関する質問が土地改良区に届くようになりました。

もともと、メダカの学名 Oryzias latipes のOryziasがラテン語の「稲」を意味するOryzaに由来している(英名はMedaka ricefish)ように、水田と水田に連結する農業用用排水路が本来の生息地で日本では本州・四国・九州に広く分布していましたが、高度成長時代の都市開発や河川・水路改修などによってメダカに適した多くの生息地が失われはじめ、ついにレッドリスト入りということになってしまいました。(平成十三年度に農林水産省・環境省が行った生物調査では、すでに生息の確認がとれない県も存在しています。)

また近年、保護活動が盛んに行われていますが、メダカは遺伝学的な地理特性を持つため、安易に他の地域・水系から持ち込み、放流することは正しい保護のあり方とはいえず、メダカの生息可能な環境を一つでも残していくことがメダカの種の保存につながるとされています。

● 日本に生息する淡水魚の中でもっとも小さな魚で、成魚で3〜5cm。

● 通常寿命は1〜2年。

● 緩やかな流れの小川や水路に生息。

● 主にミジンコなどの浮遊生物を食べるが、植物性のプランクトンも食べる雑食性。

メダカのメスとオス

※絶滅の恐れがあるとされる野生のメダカはクロメダカと呼ばれるもので、ペットショップ等でよく売られている黄色のメダカ(ヒメダカ)は、クロメダカから人工的に作られた改良品種です。


亀田郷トップ 亀田郷土地改良区だより 第97号 第97号表紙へ戻る