平成15年度 事業報告

事業の状況

1 水管理状況

平成15年度のかんがい期間(4月から8月)中の気象状況は、気温が4月から6月は平年並み、7月から8月は平年より低く、特に7月は3・4度低かった。日照時間は5月を除き全ての月で平年より少なく、7月と8月の2ヵ月で172時間少なく日照不足であった。降水量は、4月と7月が平年以上で、それ以外の月は平年以下であった。

用水状況は、沢海揚水機場の4月20日を最初に舞潟揚水機場の25日までで管内全域で開始された。今年度は、管内全域で6月中旬から間断運転(4日運転・3日停止と5日運転・2日停止)を実施し経費軽減に努めた。中干しについては、間断運転の実施により行わなかった。運転終了は、沢海・両川揚水機場で8月25日、竹尾揚水機場27日、舞潟揚水機場31日に終了したが、天候不順により舞潟揚水機場で9月4日・5日、沢海揚水機場では15日に運転した。

揚水機場の運転状況は、昨年度と同じく15ヶ所で運転にあたった。稼働時間と電力量は昨年度との比較では、稼働時間87.5%と電力量101.5%であった。排水機場の運転状況は、6月28日から11月30日の期間で実施した。運転日数と運転時間は、平成14年度と比較するとそれぞれ19日、128時間と大幅に減少した。

2 土地改良施設の整備状況と事業効果

(1) 団体営事業

@ 地域用水機能増進事業

農業用施設と農業用水が持つ地域用水機能の保全・活用を図る活動を地域住民とともに展開した。亀田地区では、県営流域水質機能保全増進事業で改修した清五郎排水路に、地域で選定したツツジ・アヤメ・芝桜・ハナショウブ・ハスなどを植栽し、水辺環境整備と生態系保全などに寄与した。この様な地域活動で、住民の繋がりが強くなってきている。石山・大江山地区は本所排水路、大形地区では海老ヶ瀬排水路の整備計画を地域住民と共に立案した。また、郷内一斉清掃を実施して地域環境整備にも協力した。

A 国営造成施設管理体制整備促進事業(管理体制整備型)

横越排水路転落防止柵設置延長456.0mを施工した。非かんがい期に、舞潟揚水機場からの浄化用水取水と大石排水路浄化ポンプを運転して、排水路の水質浄化に取り組んだ。

(2) 国営事業 かんがい排水事業

本年度は、地盤改良工、機場本体の給水槽部・吐出槽部の一部土木工事を施工した。平成16年度は、引き続き土木工事と上屋工及びポンプ製作を実施する。事業進捗率は、5.6%である。

(3) 県営事業

@ 地盤沈下対策事業(新潟南部2〜5期地区)

本年度は、旧両川揚水機場撤去工一式、用水路は善徳用水路延長473m、排水路については、大石排水路延長228m・新堀排水路延長780m・割野排水路1353mを施工した。善徳用水路と新堀排水路が完了し、事業進捗率は41.9%である。

A 流域水質保全機能増進事業(亀田郷地区)

本年度は、清五郎排水路延長707mを親水と生態系保全及び水質浄化機能などを備えた自然型護岸で施工した。水生植物を植栽した箇所には、魚の姿が見受けられ事業効果が少しずつ発揮されてきている。事業進捗率は41.0%である。

B ほ場整備(担い手育成型)事業(大渕地区)

本年度は、暗渠排水工面積28.9haを施工し、全ての工事が完了した。基盤整備により、用水不足や排水不良が解消され、農地が汎用化し高度に利用できるようになり農家経営の安定・拡大が図られる。

(4) その他各種事業

@ 土地改良施設維持管理適正化事業

揚水機場は、横越第1揚水機場の除塵機点検整備一式と横越第2揚水機場のポンプ点検整備一式、用水路は二本木支線・天王杉用水路延長463.2m、排水路については長潟農道附帯排水路延長262.8mをそれぞれ施工した。本年度は、横越第2揚水機場と二本木支線用水路及び長潟農道附帯排水路が完了した。

A 県単農業農村整備事業

用水路は、東専用水路延長241.3m、農道は早通農道延長350.4mを施工し、完了した。

B 維持管理事業(共通・各区)

共通路線58件、工事費5260万円、各区路線130件、工事費6883万円の維持修繕工事を実施した。

C 受託事業
@ 新潟県土木部

鳥屋野潟及び栗ノ木川浄化対策

A 新潟市

本所・蔵岡排水機場の運転管理

B 新潟県土地改良事業団体連合会

揚水機場の操作点検整備などの指導及び支援

C 北陸農政局

農業水利基本調査、土地利用実態調査

D 新潟県農地部

管理体制整備の推進活動

E 新潟市ほか

用排水路移設補償工事

D 亀田郷ネット

平成15年度の亀田郷ネットの会員数は、平成16年3月末現在331人である。活動内容は、パソコン教室(7回、39人)の開催、広報誌の発行(1回)、会員サポートを行った。

今後とも、地域用水機能増進・流域水質保全機能増進事業などの土地改良事業と連携した情報と地産地消活動など組合員や地域住民に対するサポート(技術支援)を重要課題と位置づけ、活動を推進していく。

3 今後の課題と重点的取り組み

(1) 国営かんがい排水事業「親松排水機場」の更新事業の推進

(2) 親松排水機場の運転管理を支援する総合水管理システムの構築

(3) 農業用施設の更新と併せた、水質浄化、生態系・水辺環境保全など環境に配慮した、流域水質保全機能増進事業の推進

(4) 土地改良施設の多面的機能を地域住民と共に、計画・実施・維持管理を行う活動を支援する地域用水機能増進事業の推進

(5) 土地改良区、組合員、地域住民との情報交流を重視した情報ネットワークの推進

(6) 担い手、農地集積及び環境保全に考慮した基盤整備事業の推進

(7) 県営・団体営農業農村整備事業の推進


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