あいさつ

理事長 上之山 喜男

理事長 上之山 喜男

日頃、組合員の皆様には、土地改良区運営並びに事業推進に、多大なるご理解とご支援を賜り心より感謝申し上げます。

環境配慮と住民参加の理念

「環境への配慮と地域住民の意向反映」を基本理念に据えた、新しい土地改良法が施行されてから2年が経過いたしました。この間、地域の皆様のご協力により、地域用水対策協議会の活動も活発化してきており、県営流域水質保全機能増進事業・団体営地域用水機能増進事業といった、新改良法の理念に則った新たな事業も、着実な進捗を見せているところでございます。また、親松排水機場の更新を核とする国営かんがい排水事業につきましては、平成15年11月に安全祈願祭が執り行われ、平成19年4月の稼働を目指し順調に工事が進められております。

変革の時を迎えて求められる食の安全

近年のこうした農業・農村整備事業の動きに加え、米政策改革と地域水田農業ビジョンへの対応、平成17年3月の亀田町・横越町を含む新潟市の広域合併など、地域と農業をとりまく環境は今、大きな変革の時を迎えております。また一方で、アメリカのBSE問題や鳥インフルエンザ、鯉ヘルペスなど、食の安全の根幹を揺るがすようなニュースが頻発いたしました。われわれ生産者も、「食の安全・安心」の重要性を再認識すると同時に、消費者に信頼される農業、安心される農業の実現に向けた取り組みが求められていることを常に意識し、地産地消など、生産者と消費者の新たな連携の構築を進めていかなければならないと感じております。

組織改革への取り組み

こうした土地改良区、また亀田郷地域をとりまく環境の変化に対応し、充実した事業展開と健全財政の堅持により組合員の皆様の負託に応えるべく、平成12年度より組織改革にとりくんで参りました。平成16年1月の総代定数削減につづき、2月からは理事9人制による新機構がスタートしております。この新しい機構を支える事務組織につきましても、事業・運営の効率化といっそうのサービス向上、また、経費節減にむけた合理化の観点から、役職員一体となって検討を重ね、この4月1日より新体制による業務を開始しております。これからも役職員ひとりひとりが問題意識・目的意識を持ち、多様化する組合員要望・地域要望に、迅速かつ的確に対応できるよう努めて参りたいと思っております。

『いのち』『循環』『共生』をテーマに

農業が地域にとって、食料生産のみならず地域環境を形成する大きな要素となっていることは、すでに国民の共通認識となっております。この亀田郷の地域は、まさに新潟都市圏の穀倉であり、近郊農地と、その生産を支える水利施設が、地域の景観・住環境・自然環境に与える影響は非常に大きく、その管理者としての土地改良区への期待と役割は、一層大きなものになってきていると認識しております。そうした中で、平成15年度には、『いのち』『循環』『共生』をテーマに掲げた、新しい土地改良長期計画が示されました。これにより、農業農村整備事業において、既存施設の有効活用や、施設の長寿命化をはかる更新整備、いわゆるストックマネジマントの概念が盛り込まれました。これらを土地改良法による環境配慮と住民参加の理念で実現していくことが、これからの土地改良区の事業の展開方向であると思っております。

この亀田郷が、安全な食料生産と豊かな自然環境の保全により人と動植物のいのちを育み、水質の浄化による健全な水循環とバイオマス利用等地域資源の循環利用を促進し、人と自然・都市と農村が共生する地域として発展していけるよう、組合員の皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。


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