食料生産の増強、農業経営の合理化を目的に亀田郷で大規模な農業水利改良事業に着手。昭和23年に、当時東洋一の規模とされる栗ノ木排水機場が完成し、これまでの小輪中における小規模分散型の排水体系ではなしえなかった統一機械排水体系が確立した。これにより、亀田郷乾田化への道が開かれた。
土地改良事業と営農技術指導が一体であることの重要性を強調するあまり「亀田町を中心とする地域にあっては、巨額な財政投資、過重な農民負担にもかかわらず土地改良事業によって、水稲の減産をきたしている。」と説明したことが問題の発端。そして調査の結果、次のことを指摘した。
地域的な特質と事業の施工上の在り方
土地改良事業と農民負担の関係
土地改良事業と営農技術指導の一体性
事業の跡地利用と農業経営の改善をはかるため
自動耕耘機の導入計画
酪農計画
養畜農業計画
をたてたが、地盤沈下現象により裏作が不可能となり中断。
乾田化した土地改良事業跡地に昭和31年頃より農地転用が見られるようになり、とくに昭和39年2月、新潟地区が新産都市に指定以来、県・市の積極的施策と相まって、都市近郊地帯は宅地・工業敷地等の造成が急速に進展した。このため、農業用施設と都市施設が共用を余儀なくされ、特に都市汚水による用水汚濁については、まことに憂慮される状況にある。
また、昭和43年6月新都市計画法が施行され昭和45年11月市街化区域・市街化調整区域の線引がおこなわれ、地区内の農地の内、
新潟市分 | 田 | 802.2ha | 畑 | 322.3ha |
亀田町分 | 田 | 144.7ha | 畑 | 49.2ha |
横越村分 | 田 | 11.4ha | 畑 | 20.4ha |
の計1,350.2haが市街化地区に編入された。
結果、市街化区域内農地についての農業振興策および水配分など管理面で苦慮している。
昭和23年の着工当初、団体営事業の補助制度は極めて小範囲に限定されており、また昭和26年農林漁業長期資金制度の確立するまで低利の安全資金がなかったため、資金繰はきわめて困難な状況にあった。加えて湖水のごとき様相を呈していたこの地区の完全乾田化には、第一期工事後地盤の安全を図ったのち第二期工事の施工をせまられ、工事負担は農家経済の重圧となった。昭和32年農林省・県および金融機関の指導のもとに、財政再建のため、財政および事業体制の確立を図り、昭和43年迄の長期運営計画をたてた。その後、組合員の協力のもとに、再建計画期間を大幅に短縮、昭和38年度にこれを達成し運営は軌道にのった。
昭和34年栗ノ木排水機は、地盤沈下による能力減退を復元するため、県営特殊排水事業として1,500mm二基を増設、昭和37年同施設が公共性を有することから従来の土地改良区管理を新潟県に移管。
区 分 | 国 | 県 | 市 町 村 | 土地改良区 |
34 年 度 | 50 | 40 | − | 10 |
35 年 度 | 50 | 45 | − | 5 |
36 年 度 | 60 | 32 | 4 | 4 |
45年以降 | 60 | 34 | 4 | 2 |
昭和39年新潟地震災害復旧の一環としての東新潟低水位方式により、栗ノ木排水機にかわるべき親松排水機を新設、栗ノ木排水機は、国営事業で設置した10基を廃止。県営特殊排水事業で増設した2基を竹尾導水路および栗ノ木川汚濁防止用水の水源として残し、竹尾揚水機と改称。
新潟市嘉瀬地区の構造改善事業により導入した営農近代化施設の有効利用を前提に水稲の高生産性と都市近郊地帯の営農形態の確立を図るため大型機械の一貫作業による水稲の乾田直播栽培を3カ年計画で試験。労働生産部門において画期的成果をあげたが今後の基盤整備について問題を提起した。
大型機械の駆使可能な土地基盤と用排水体系の確立を願って新潟県に調査を申請。昭和49年春の調査結果にもとづき、大規模ほ場整備事業の必要性を啓発した。
都市化現象と高速情報化時代の中にあって、亀田郷農業の安定・発展を図るため、青木志郎工学博士(東京工業大)をはじめ10人の学者グルーフ゜に調査を依頼。昭和49年春、基本構想を策定。
都市と農業が調和する土地利用
都市化に対応する姿勢
農村集落の再整備
昭和49年春の基本構想をふまえ、土地改良事業の効用発揮と農村環境整備のため、昭和50年9月財団法人亀田郷地域センターの設立者となる。また設立者として、次の事業を寄付行為に明記した。
住民サイドの土地利用構想
農業振興事業に対する資金援助
講演会・研究会の開催
情報の収集と提供
都市化が進展する中、土地利用の変化と異状降雨による流出系数の変化等湛水被害が危惧されるにいたった。
昭和53年6月26日の水害(冠水農地 2,876ha 家屋被害 1,068戸)を契機に亀田郷全域の治水計画を策定。
親松排水機の増設(115t/s増設)を軸にした鳥屋野潟中小河川改修事業が開始した。
昭和55年着手、現在進行中。
亀田排水路を流域区域とする亀田町城山地内から下流栗ノ木川の合流点までの間は土地開発が進み、また亀田町船戸山地内においては住宅が密集し改修工事が極めて困難であることから、上流の流域区域945.7ha(Q=6,847m3/S)の流量を亀田町城山地内から分流させ、JR信越線に添って排水路を5,500m開削し、信越線と小阿賀野川右岸堤塘交点附近に新たに二本木排水機場を設置、洪水時に対応する計画とし昭和58年度完了した。
農地の汎用化を目的とした土地改良総合整備事業、小規模排水対策特別事業の進展に伴い、基幹排水施設の能力諸元に不整合が生じていることと近年の宅地化等都市的土地利用の増による排水量の増加に対応する親松排水区より本所排水区・蔵岡排水区を分離、各々排水機場新設により阿賀野川へ排水するとの排水対策を樹立、事業推進のため関係市町村(新潟市・亀田町・横越村)と亀田郷排水対策事業推進協議会を設立した。
行政改革の影響に加え円高問題また新潟市を中心とする高速交通時代到来をふまえた経済改革と産業再編、さらには水田利用再編次期対策(ポスト三期)等々、従来とは違う農業情勢を迎えていることから、郷内に新たな土地利用および農業経営問題が発生していると判断、理事会が次の項目について常任部会に対し、具体案検討を付託した。
(1) 都市的土地利用と農業的土地利用の調整と整理
(2) 専・兼業農家間の調整による農用地の効率的集積
(3) 野菜・果樹等の計画生産と安定販売の体制づくり
(4) 組合員の健康管理
第9回全国土地改良大会が10月14日新潟で開催されたが、農業と土地改良事業のピーアールのため市民参加型の記念行事を主催した。
農業機械パレードと農業機械化展
土地改良展とフードピア
木喰展、名水展
N響団友オーケストラコンサート
新潟日報特集記事
NHK・TVにっぽん列島いちばんに放映
農業用排水の集中管理を考慮した水利施設総合管理システムの創設を軸に運営及び事務の近代化を図ると共に営農・流通・生活等の情報を組合員に提供し、生活活動および生活の向上を図る為情報センター構想を樹立
計画年次→ | 元年度 | 2年度 | 3年度 | 4年度 | 5年度 | 6年度 | 7年度 | 8年度 | 9年度 | 付 記 | |
↓ 内 容 | |||||||||||
(1) | 揚・排水機場の集中管理 | 計画 | 設備 導入 |
実施 | 改良普及 | (モデル事業) | |||||
(2) | 業務のOA化 | 計画 | 設備 導入 |
実施 | 改良普及 | (単独事業) | |||||
(3) | 農業支援情報 | 計画 | (県単モデル) | ||||||||
農村生活情報 | 計画 | 実施 | (農村広域生活 環境整備事業) |
||||||||
(7年度から 農村自然環境 整備事業) |
減反に苦しむ米作農家を救済のため米を非食用分野での産業原料として大量消費することを提案。
提案1. | 米離れの歯止めとして 集中炊飯センター構想、米の無菌包装技術、包装米飯の多様化技術の開発による米飯日配技術の開発とシステム化。 |
提案2. | 米利用の復元について (1) 澱粉糖分野の利用復元。 (2) 添加用アルコール生産としての輸入糖蜜の米利用復元。 |
提案3. | 水田生産力の多目的利用について (1) 水田バイオマス資源の発掘までの間、米をバイオマス資源として石油代替アルコール生産。 (2) 飼料的品種を選定の上、配合・混合飼料に混入 (3) 水田生産力を活用してバイオマス資源(サトウモロコシ・サトウキビ等)を生産する。 |
提案4. | 仮称未来農業研究所の創設について 長期的視点での水田生産力の利・活用研究のため創設、特に非食用利用分野の研究開発を官・学・民一体で推進する。 |
今後激動する農業情勢に、より的確に対応していくためには、地域社会全体を視野に入れた将来的な開発構想の策定を軸にして、その中に位置づけられる農業の新しい展開方向と、これを実現する上で必要な農業基盤のあり方を決定した上で、事業計画を策定していくような手順が必要と考えられる。
このような認識に基づき、新潟県の亀田郷地域を調査対象地域として選定し、同地域の農業・農村開発基本計画の策定を行うものである。
平成元年度開始、平成3年度終了。
新潟県、新潟市と共同歩調をとり北陸自動車道、常磐自動車道が交差する鳥屋野潟南部270haについて大規模開発することに決定。
開発構想
(1) | 鳥屋野潟公園と一体となった、水と緑に恵まれた都市空間の中で、人々が憩い、楽しみ、心身をリフレッシュさせることができる、都市のオアシスとなるアメニティゾーンの拠点の形成 |
(2) | 21世紀の都市づくりに向けての新しいライフスタイルの創出に資する文化、スポーツ、レクリェーションの拠点の形成 |
(3) | 環日本海地域の拠点として、国際交流の形成に資する文化、産業交流の拠点、及び都市と農村の融合・交流を図る拠点の形成 |
土地利用について
(1) | 総合レクリェーションゾーン レクリェーションゾーン機能等を取り込み、全体として賑わいあふれる大規模な商業的空間の形成を図るゾーン(37ha) |
(2) | 国際的文化・教育ゾーン 文化、国際交流、人材育成等の機能を取り込んだゾーン(37ha) |
(3) | 総合スポーツゾーン スポーツ、ヘルス機能等で構成するゾーン(93ha) |
(4) | 住宅ゾーン 優れたアメニティ機能の整備を生かした住宅地を図るゾーン(54ha) |
平成元年7月14日より52日間食と緑の博覧会のナイスふーど新潟'89が開催されたが、実行団体として参画、「水と大地のふるさと館」を出展、土地改良事業のピーアールにつとめた。
新潟県が21世紀に向けての戦略プロジェクトを作成したが、当土地改良区提案の国際農業研究センター、水田高度利用研究センター(別名未来農業研究所)が新潟アグロフロント整備として認められる。
先進的な農業(高生産性農業、高付加価値農業等)と核とした地域振興を図るため、一定のまとまりある地域において、研究開発、情報通信、教育研修等農業を支援する諸機能の集積を図り、先進的な農業の実現、農業関連産業の振興による地域の活性化、潤いと安らぎに満ちた農村空間の形成を総合的に推進しようと農水省が計画。
新潟市、亀田町、横越村、白根市、燕市、岩室村、弥彦村、分水町、吉田町、巻町、西川町、黒崎町、味方村、潟東村、月潟村、中之口村、新津市、小須戸町、五泉市、村松町、豊栄市、聖籠町の22市町村(A=125,498ha)が調査区域として指定を受ける。
なお、当土地改良区提案の未来農業研究所は水田高度利用研究センターとして名称変更の上、研究開発機能として、また情報センター構想が情報通信機能として位置づけられる。
事業名 | 新旧 | 国 | 県 | 地元 | 地元の内訳 | |
土改 | 市町村 | |||||
かんぱい 2,628 (14.1%) |
旧 | (50%) 1,314 |
(25%) 657 |
(25%) 657 |
(25%) 657 |
(0%) 0 |
新 | 同上 | 同上 | 同上 | (15%) 395 |
(10%) 262 |
|
防 災 16,072 (85.9%) |
旧 | (60%) 9,643 |
(30%) 4,822 |
(10%) 1,607 |
(2.955%) 475 |
(7.045%) 1,132 |
新 | 同上 | 同上 | 同上 | (0%) 0 |
(10%) 1,607 |
|
計 18,700 (100%) |
旧 | (58.59%) 10,957 |
(29.30%) 5,479 |
(12.11%) 2,264 |
(6.055%) 1,132 |
(6.055%) 1,132 |
新 | 同上 | 同上 | 同上 | (2.11%) 395 |
(10%) 1,869 |
横越村小杉地区に1.4ha区画4枚を土地改良総合整備(特別型)で造成、平成4年度より5カ年計画で基幹労働力4人により水稲の直播栽培方式により、低コスト稲作を実験。
平成5年度の結果
項目→ | ほ場No. | 栽培方法 | 品 種 | 10a当たり 労働時間 |
60kg当たり 一次生産費 |
10a当たり 収 量 |
|
↓地区名 | |||||||
亀田郷小杉 大区画実験圃場 (平成5年度) |
第1ほ場 | 乾田直播 | アキヒカリ | 14.5時間 | 10,163円 | 617kg | |
わせじまん | 11,743円 | 534kg | |||||
第2ほ場 | 湛水直播 | 新潟早生 | 10.0時間 | 11,116円 | 551kg | ||
第3・4ほ場 | 稚苗移植 | コシヒカリ | 13.8時間 | 10,687円 | 561kg | ||
参 考 |
新潟県(H4年) | − | 稚苗移植 | − | 35.7時間 | 13,614円 | 552kg |
西蒲原郡(H4年) | − | 稚苗移植 | − | 29.6時間 | 12,640円 | 602kg |
※亀田郷小杉大区画実験圃場の労働時間には、乾燥・調整作業及び稚苗移植の育苗作業を委託したので、平成4年の新潟県の数値をそれぞれ加算しています。
※新潟県、西蒲原郡は平成4年度新潟県農林水産統計年報の数値を使用しています。
平成6年度の結果
栽培法 | 品種名 | 収量(10aあたり) | 10aあたり 労働時間 実績 |
労働生産性(10時間当たり) | ||||
目標 | 実績 (実収) |
達成率 | 目 標 | 実 績 | 達成率 | |||
乾田直播 | アキヒカリ | 510kg | 682kg | 133.7% | 11.9時間 | 392.3kg | 573.1kg | 146.1% |
わせじまん | 510kg | 504kg | 98.8% | 12.6時間 | 392.3kg | 400.0kg | 102.0% | |
晩植栽培 | コシヒカリ | 430kg | 463kg | 107.7% | 13.3時間 | (330.8kg) | 348.1kg | 105.2% |
移植栽培 | コシヒカリ | 540kg | 598kg | 110.7% | 13.1時間 | 415.4kg | 456.5kg | 109.9% |
県平均 (参考) |
H5年 | − | 470kg | 指数 89 | 32.7時間 | − | 143.7kg | − |
H4年 | − | 549kg | 指数 104 | 36.3時間 | − | 151.2kg | − |
平成7年度の結果
栽培 方法 |
ほ場名 | 品種名 | 収量(10aあたり) | 10aあたり 労働時間 実績 |
労働生産性(10時間当たり) | ||||
目標 | 実績 (実収) |
達成率 | 目標 | 実績 | 達成率 | ||||
乾 田 直 播 栽 培 |
第1ほ場 | アキヒカリ | 600kg | 511.3kg | 85.2% | 11.0時間 | 600.0kg | 464.5kg | 77.5% |
第2ほ場 | ゆきの精 | 540kg | 320.3kg | 59.3% | 13.6時間 | 490.9kg | 235.5kg | 48.0% | |
第3ほ場 | ゆきの精 | 540kg | 438.3kg | 81.2% | 13.2時間 | 450.0kg | 331.8kg | 70.6% | |
コシヒカリ | 510kg | 345.8kg | 67.8% | 425.0kg | 262.1kg | 61.6% | |||
平 均 | 547.5kg | 403.9kg | 73.8% | 12.6時間 | 491.5kg | 320.5kg | 65.2% | ||
稚 苗 移 植 栽 培 |
第4ほ場 | 新潟30号 | 520kg | 412.0kg | 79.2% | − | − | − | − |
新潟 県平均 (参考) |
H6年 | − | 547.0kg | 作況指数 103 | 32.9時間 | − | 166.3kg | − | |
H5年 | − | 470.0kg | 作況指数 89 | 32.7時間 | − | 143.7kg | − |
平成8年度の結果
栽培 方法 |
ほ場名 | 品種名 | 収量(10aあたり) | 10aあたり 労働時間 実績 |
労働生産性(10時間当たり) | ||||
目標 | 実績 (実収) |
達成率 | 目標 | 実績 | 達成率 | ||||
乾 田 直 播 栽 培 |
第1ほ場 | コシヒカリ | 550kg | 530kg | 96.4% | 12.0時間 | 550kg | 441.7kg | 80.3% |
第2ほ場 | アキヒカリ | 600kg | 541kg | 90.2% | 11.9時間 | 600kg | 454.6kg | 75.8% | |
平均 | − | 575kg | 535.5kg | 93.1% | 12.0時間 | 575kg | 446.3kg | 77.6% | |
稚 苗 移 植 栽 培 |
第3ほ場 | コシヒカリ | 570kg | 605kg | 106.1% | 11.6時間 | 425kg | 521.6kg | 122.7% |
第4ほ場 | コシヒカリ | 570kg | 605kg | 106.1% | 11.6時間 | 425kg | 521.6kg | 122.7% | |
実 証 ほ 平 均 | 572.5kg | 570.3kg | 99.6% | 11.8時間 | 500kg | 484.0kg | 96.8% | ||
(参考) 新潟県(H7年)平均 |
− | 499kg | 作況指数 94 | 32.4時間 | − | 154.0kg | − |
農水省が平成元年より3ヵ年計画で実施した都市近郊型農業開発モデル調査の結果を特別委員会を設置して分析検討。亀田郷の将来像について
(1) 農業と食品産業拠点地域
(2) 国際交流拠点地域
(3) 快適で優れた田園都市建設
を確認、その方向に添って各種事業と展開することを方向づけた。
亀田郷農業の構造転換のモデルとして大江山地区を対象に計画。
(1) 都市的土地利用ゾーンと農業的土地利用ゾーンを区分する。
(2) 農業的土地利用ゾーン内部について土地利用型営農ゾーンと施設利用型営農ゾーンとに区分する。
(3) 水田経営は1人15ha経営可能な基盤整備を行う。また入作地は数カ所に団地化する。
(4) 定置型ハウス団地を造成し都市農業を展開する。
(5) 野菜等の予冷冷蔵施設及び加工施設を導入し、高付加価値化、市場対応を進化する。
(6) 営農集団の育成
(7) 地域情報化の推進
以上の計画について事業実施を先進型農業基盤整備モデル事業(平5創設)に委ねる。
事業名 | 新旧 | 国 | 県 | 地元 | 地元の内訳 | |
土改 | 市町 | |||||
地沈 | 旧 | 60% | 34% | 6% | 2% | 4% |
新 | 55% | 39% | 6% | 0% | 6% |
1 市町負担割合は、新潟市60.95%、亀田町19.64%、横越町19.41%とする。
2 前項の負担割合は、平成7年度の負担金から適用する。
●河川計画(治水計画)
毎秒60トン排水の親松排水機場に対し、将来計画として毎秒120トン分を増設する。但し暫定処置として毎秒40トン分を増設する。
●公園計画
「自然環境の保全、再生、活用、体験」「広域公園」としての魅力づくりを基本に
(1)観察、休養施設、散策路を中心にした「ふれあいゾーン」
(2)探鳥等野外学習施設を中心にした「まなびのゾーン」
(3)花見広場、湿生花園などの「やすらぎゾーン」
(4)県の総合運動施設に関連をもたせた「活動ゾーン」
として整備する。そのほか、潟一周道路と駐車場を整備する。
減反解消のため米の非食用利用の提案のひとつとして水田生産力の多目的利用を主張してきた。
亀田郷土地改良区、未来農業を考える会、三菱重工業(株)が水田の高度利用の観点から研究をすすめている、稲わら等を利用したバイオマスエネルギーの活用について新潟県の支援と推進を目的としたバイオマスエネルギー活用推進調査検討委員会による報告書。
市町村名 | 作付面積 | 10a当りのわら重量 | 生産わら重量 |
新潟市 | 4,490ha | 839.2kg/10a | 37,680ton |
亀田町 | 670ha | 808.8kg/10a | 5,419ton |
横越町 | 900ha | 801.2kg/10a | 7,211ton |
合計 | 6,060ha | 単純平均(816.4) | 50,310ton |
(注)
使用期間 | 年間重油使用量 | 粗メタノール換算 | |
温 室 | 10月から 4月まで |
面積 原単位 重油 4,000m2×22.45リットル/m2=89,800リットル |
重油 換算値 粗メタノール 89,000リットル×2.6=233,480リットル |
(注)
稲わら原料使用量 | → | 生成粗メタノール量 |
10ton/日(年間3,000ton) | 3,177キロリットル/日(年間953キロリットル) |
亀田郷土地改良区内に面積1,000m2の農業用温室4棟の設置計画があることから、面積4,000m2の農業用温室にメタノール燃料を使用した場合の燃料使用量を試算すると、次表の通り、7ケ月使用で、年間約233.5キロリットルのメタノール燃料消費となる。これは、10ton/日プラントでの粗メタノール生産予定量953キロリットルの約24%の消費量となる。
稲わらは、このようにバイオマス資源として極めて有望であり、将来のクリーンなエネルギー源の可能性を持っている。
今後は他のバイオマス等の原料化の適用検討が考えられる。
総代定数の見直しの問題や維持管理と事業展開の方向性をさぐり健全財政を維持しつつ、それに合致した業務運営と機構はどうあるべきかについて検討するという目的で機構改革特別委員会を設置した。
総代定数については、65名前後に削減し、選挙区ごとの定数については理事会で審議をおこなうこととなった。審議の過程において、委員より出された貴重な意見を理事会において、今後充分に検討され、運営に反映してほしいと答申された。
機構改革特別委員会の意見を反映させながら今後予想される農業情勢を視野に入れ諸事業を積極的に推進することが肝要であると考え、土地改良施設の高度、有効利用への取り組みと農業的土地利用と都市的土地利用の調整を計る土地利用計画を進める必要が生じたため、新たに理事会の補助機関として土地利用計画部会を発足した。
国県営土地改良事業により造成された親松排水機場及び新川河口排水機場は、湛水被害を防止することによって農業受益者はもとより地域経済の発展にも極めて重要な役割を担ってきた。しかし建設後30年近くが経過し施設の老朽化等により維持管理費の高騰や安全面での不具合な情報もあることから、将来の更新計画に資するため、排水機場総合診断検討委員会を設置。
地域における資源の賦存量やエネルギーの利用方法などの検討を行う、「農村地域資源リサイクル環境整備検討調査」として、農林水産省より事業採択され、当土地改良区が新潟県より事業の委託を受け設置した。
亀田郷土地改良区(昭和23年亀田郷耕地整理組合発足以来)創立50周年と情報化事業の竣工を記念して10月23日に亀田郷土地改良区大ホールにて記念式典を開催した。下記の記念事業を行い土地改良事業の大切さを地域住民にアピールした。
資料館「芦沼館」の建設 | ||
第15回全国都市緑化にいがたフェアに「かめだGOランド」を出展 | ||
出版物の制作 | 亀田郷1978 まんが亀田郷の歴史 亀田郷の昔語り |
|
水位標の設置 |
鳥屋野潟・通船川・栗ノ木川などの河川や用排水路など、地域の豊かな水辺環境の保全と安全で快適な地域づくりを推進するため、自治連合会と土地改良区により設立。
治水・利水・環境・調和のとれた地域づくりに貢献している。水利施設や水辺環境の整備に関する合意形成をはかり、行政機関への提案活動、講演会等の学習会、ニュース発行など各種の情報提供活動を行っている。
亀田郷の環境整備の鍵を握る最大の要素は、水音が聞こえるような汚れのない水の復活である。涸れた水路に水を呼び戻し、単に作物を育てる水から、野生の生物をはぐくむ水、地域住民がごく自然に親しみ利用する水環境機能を備えた水路網を再建することを目的とし、豊かな農村と都市の生活環境を整備し、自然と共生できる環境づくりに取り組む事とした。
生産調整の強化、米価の低下等、農業を取り巻く環境は厳しさを増し、農業従事者の減少や高齢化の進展等構造的な問題がでてきた。また亀田郷は都市化により混住化が進み、新旧住民間の交流の促進は地域づくりの上で一層重要となってきている。
こうした様々な課題を抱える中、新しい農業・農村基本法、また、今後の土地改良法改正に対応した、今後の亀田郷土地改良区の組織強化と業務展開について、新たな指針となる「亀田郷土地改良区将来ビジョン」を策定した。
耕地整理当時より農業用排水路として機能してきた背割り排水路は急速な都市化、宅地化により農業用の機能は失われ、維持管理は農業者側から離れていった。それにより管理者不在の背割り排水路は悪臭・害虫の発生、雑草の繁茂など諸問題を発生させた。それら諸問題を解決するため新潟市と背割り排水路検討委員会を設置し、市街化区域内における背割り排水路の将来的な利用計画を含めた管理方針を策定することを目的として動きだした。
その結果、農業用排水路(土地改良区管理)として引き続き管理する水路と都市排水路(新潟市管理)として新潟市が必要とする水路を区分し、都市排水路については幅員1.5mまでは無償譲渡することを決定した。しかし法定外公共物の絡みもあり譲渡手法や幅員1.5m以上の水路、双方が必要ない水路については様々な検討課題を残している。
親松排水機場は設置後30余年が経過し、施設機能維持のため定期的な整備・保守が行われてきたが、老朽化によるポンプの以上停止や維持管理費の増大等により排水機能の維持が困難な状況にあり、さらに、機場の不同沈下に伴うポンプ軸変位による運転停止が懸念される状況となった為、国営亀田郷農業水利事業の実施により親松排水機場の更新に着手した。
平成12年から機構改革に取り組み、総務・事業部会で「今後の土地改良区のあり方」を土地改良区運営面から見直す為、理事会の諮問機関として機構改革特別委員会の設置、総代・理事定数と報酬について諮問した。
「今後の土地改良区のあり方」を検討するために設置した、機構改革特別委員会より答申を受け、総代・理事の問題について理事会で審議した定数削除の方針で検討を進め、具体的な定数を決定し、平成14年12月の臨時総代階に付議し総代(85名→67名)・理事(16名→9名)の大幅な定数削除を議決した。
米の生産調整の打開案として昭和63年より土地改良ほか関係方面に提案、検討してきたバイオマスエネルギーの利活用が、ようやく国家戦略として取組まれた。また新しい米政策による地域水田農業ビジョンにおいて、バイオマス資源の生産が盛り込まれるよう、農地の高度利用や保全、農家の所得確保を目指す。
調査・検討・事業の経過
・S63〜 米の大量消費策の検討
・H2〜 アグロポリス構想・水田高度利用研究センター
・H6〜7 バイオマス・エネルギー活用推進調査(通産省・県商工労働部)
・H8 亀田郷地域資源リサイクル資源量・設備調査(県農地部)
・H9〜10 農村地域資源リサイクル環境整備検討調査(農水省・県農林水産部)
・H10 亀田町地域新エネルギービジョン策定(亀田町)
・H15 『バイオマス・ニイガタ』の提案
農業面のみならず、地域振興・地域環境についても貢献するため、実施から維持管理までを含めた効果的な事業実施方法の策定を目的に、学識経験者、地元経済界、農業・環境等に精通した委員からなる委員会を設置。これまで亀田郷地域で行われてきた、「土地改良事業」及び「土地改良区の活動」等の効果について、多角的に分析・評価を行うとともに、国営亀田郷農業水利事業の果たすべき役割について検討を行う。その調査結果から地域農業・地域環境の効果的な事業実施方策について本委員会で検討を行う。
構造改革の一環である地方分権一括法が平成12年4月1日に施行され、国有財産関係法令の一部改正により、法定外公共物のうち赤線・青線の所有権が国から市町村へ移行されることとなった。
地方分権の推進は、国と地方が国民福祉の増進のため相互に協力しながらも、地方の自主性・自立性を高め、住民に身近な行政をできる限り地方公共団体において処理することを基本としている。
土地改良施設における法定外公共物の管理方法及び取扱いについても、時同じく実施される新潟市広域市町村合併に向け、近隣土地改良区並びに関係市町村担当課が協力し、条例の制定を始めとする運用指針が議論・検討される。
その結果、「土地改良区の区域に存在する土地改良施設の敷地である法定外公共物は、土地改良法に基づき土地改良区が管理する」旨の条文が規定された。
組合費賦課システムの完成により、組合員に農地一筆情報を気軽に確認できるように開設される。また平成20年度賦課より「賦課(土地)の内訳書」を添付して賦課令書を発行し、年ごとの農地の異動を確実に把握することにより、賦課業務の円滑化を図る。
環境保全型維持管理の取り組みとして、除草剤散布から草刈り作業に変更。平成18年の6月上旬から8月末の期間で2回実施。面積は郷内全体で550,000u在ることから、作業の軽減と効率を上げるため除草機械(自走式・トラクター装着など)を平成23年度までに37台購入し地元に貸与する。組合員への刈払機購入助成も行う。他に溝畔の保全と維持管理の軽減となるカバープランツ及び重曹を用いた抑草・除草効果の検証試験を実施している。
郷内の農業用排水施設は非かんがい期での流水量の減少、雑排水の流入等により水質悪化が顕在化している。平成13年度から18年度にかけて農業水利基本調査及び都市化地域用水環境改善実証調査により、非かんがい期に舞潟揚水機場より通水試験を行い、水質改善に必要な水量の検討を行った。平成18年3月に国土交通省より環境用水に係る取り扱い基準が示され、平成19年10月18日、新潟市が全国に先駆けて環境用水の水利権(最大 2.15 m3/s)を取得した。非かんがい期に農業用排水路へ環境用水を流し、水質・景観・生態系など水辺環境の保全を通じて地域イメージの向上を図り、農業・農村の振興を展開。平成20年度からは環境用水利活用事業で通水を継続している。
国営亀田郷農業水利事業により造成された新親松排水機場の管理者である新潟県より、運転操作及び保守点検業務、除塵作業業務並びに建屋等保守業務を受託する。平成22年度より亀田郷本区で実施していた土地改良施設の監視・遠隔操作を行う集中管理室の機能と業務を親松排水機場に移した。
亀田郷内の穀倉地帯である横越・大江山・亀田・大形地区の2,590ha を灌漑している沢海揚水機場が竣工した。立軸斜流ポンプ口径1,350mm2台(固定速1台+可変速1台)を要し、揚水量は毎秒8.44 m3である。平成16年導水路工事に着手、平成18年に上屋建築、平成21年にポンプ据え付けを完了。県営地盤沈下対策事業により造成される。
平成22年5月の理事会において中期計画検討員会が設置される。「都市近郊農業の更なる発展」「良好な形を次世代へ引き継ぐ」「悠久の亀田郷づくり」を掲げ、1.事業計画の立案、2.維持管理体制の構築、3.新たな組織体制の立案、4.財務運営の確立の4項目を柱に中期計画を策定し理事会の議決を経て総代会に報告され、土地改良区運営に反映される。
当改良区は昭和26年11月1日に亀田郷耕地整理組合を組織変更して設立された。2011年に60周年を迎え記念式典を開催したほか、創立60周年記念誌「水と土と農民」、亀田郷土地改良誌資料編を平成26年1月発行
大江山工区松山地内の施設用地(約5,200 u)と亀田、山潟、曽野木工区にまたがる小松堀排水路法面(約1km)の2 箇所に太陽電池パネル約4,800 枚を設置し、合計800kW の太陽光発電設備を平成26年3月より運転開始。発電電力は電力事業者に売電することで揚水機場等の電力費などの維持管理経費へ充当するほか、建設費用にかかる改良区負担分の返済にあてる。
経費負担の公平性を図るため畑賦課地の用途調査を行い、調査結果に基づき変更が生じる組合員に賦課内訳書の確認及び個別案件の最終確認作業を実施。平成25年度から新たな基準での賦課令書発行がなされた。
新潟県は鳥屋野潟をめぐる観光化・乱開発に対応するため昭和46年6月、「信濃川下流・鳥屋野潟総合開発プロジェクトチーム」を発足させ、同年9月に「鳥屋野潟総合開発基本計画報告書」として下記5項目が挙げられた。
@鳥屋野潟一帯を健全な広域レクリェーション地帯とするため、水と緑の豊かな環境へ導く浄化の促進
A公共下水道整備による汚濁水流入の防止、工場などへの排水規制強化、堆積土浚渫、フラッシング等による浄化対策の推進
B都市化の進展に対応した治水計画の樹立
C日本海側の中核都市としての都市機能、広域観光ルートの拠点としての県立公園の建設
D鳥屋野潟野球場を中心とする運動公園、国道、農道や他の市内公園計画とその関連を考慮した総合計画の樹立